新しく生まれた赤ん坊はまだまどろんでいる中、なりたてホヤホヤのお母さんは大切にその子を胸の前で抱きしめ、
これまたなりたてホヤホヤのお父さんが写真を撮っていた。
まだこわごわ触るその抱き方に初々しさを覚えた。
2人とも終始笑顔で、まだ初心者マークが顔に張りついているような危なげだけどその中に「幸せ」があった。
お父さんが撮り終わり、お母さんが次交代して撮ろうとしている中、
オッサンは思わず
「御家族みんなのを撮りましょうか？」
と言ってみた。
お母さんはこれまた嬉しくも恥ずかしそうな。
幸せ満開の笑みで
「えー！良いんですか？」
と言ってカメラを渡してくれた。
私はあれこれとポーズや配置を「家族」で決めている中、
勝手にパシャパシャ何枚か撮る。
最初お父さんがまだまどろんでいるマシュマロのようなぷっくり膨れ上がったポヨポヨの小さな命を大切に胸に持たれ掛けさせながらピースをとる中、お母さんは髪を整えたり。
奥さんがピースをしたかと思えば、お父さんは赤ん坊を整えたり。
…そんな動きが自然で残しておくと後で笑えるのだ。
「これは目をつぶってる」
「これはピースが合ってない」
「お前が産まれた時、桜の中で写真を撮っていたら、声を掛けてくれて、みんなで撮れたんだよ。」
…
１分も無い中での一瞬の触れ合い。
でもこの触れ合いが私にも「幸福」。
これが幸せ。
これを守れるならなんでもやれる。
ふと、そんな事を考えながら、
桜よりも満開の笑顔を見せてもらって、
帰路に着きました。
これが幸せ。
これは幸せ。
これが写真という魔法のもたらす力。
dragon arms presents👑
