恩師、曰く

[kzm]

人の繋がりは奇跡だ。

そう言ったのは、高校の先生だった。

荒れまくり、近付く者は皆傷付けた(笑)時代。

先生は、私の眼を見つめ、いや…睨みながら言ったのだ。

彼は知っていた。

私は寂しがり屋で、今で言う構ってちゃんで、だけれど素直じゃなかった。だから、周囲に牙を向けるしか、己を表現出来なかった。

それでは駄目なんだ。

だから放たれた言葉。

｢お前が拒絶しているモノは、この世の奇跡だ。

高校で出会う確率は？

同じクラスになる確率は？

隣の席になる確率は？

その全ては必然ではないだろう。

どれもが奇跡に近いのだ。｣

｢その奇跡を受け入れろ。

そして、愛せ。

確率が低くても、その繋がりは全てが神の奇跡だと。｣

｢今、繋がったこの奇跡は、いずれ、お前の世界を…お前自身を救ってくれるから｣

恩師はそう笑い、私を送り出してくれた。

その後、

私はその言葉を忘れる事は出来ず、常に心に刻み、常に人へ想いを忘れず、生きてきたつもりだ。

そんな中、その恩師の訃報が届いた。

明日、お別れを云いに会いに行く。

きっと、先生は笑っているのだろう。

｢先生、あなたの云う通りでしたね。私は一人ではなかった。人の繋がりは、私を救ってくれました｣

思い当たる事が一杯です。

友人も、家族も、子供たちも。

その言葉が繋げてくれた。

あなたからの、沢山の言葉が気付かせてくれた。

ありがとう、だけでは伝えられませんね。

顔を見るたび、すれ違うたび、あなたは声をかけてくれた。

当時、鬱陶しいだけでした。

でも今は感謝しかありません。

あなたが救ってくれたから、

私は今、幸せです。

恩師、曰く。

｢全ての若人は、光に向かう価値がある｣

｢己に価値が見出だせないのなら、辺りを見回せ｣

｢一番最初に眼に映ったモノが、お前だ｣

｢それを受け入れるか、更に追い求めるか｣

｢若い奴は探せ！お前もまだ、これからだろう！｣

｢鬱陶しい老人の戯言だと聞き流せ、でも忘れるなよ。全てに意味があるんだからな｣

願わくば明日、送り出す空が晴れ渡りますように。

[DragonArms]

高校かー 私も柔道の先生にとても影響受けましたね。
色々看取りもして、今は「死」は「この世からの解放と還る事」と思うようになりました。
いい話をありがとうございます。

[masan]

これまでの出会いに感謝ですね😊

[ありさん · Accepted solution]

朝から涙が出てしまいました。
心に残る言葉ありがとうございます😌

恩師の言葉を生かすも殺すもあなた次第。
あなたが今幸せを感じていられるのは、あなたが恩師の言葉に命をふきこんだからだと思います。

[それいゆ]

良いお話を
ありがとうございます。

kzmさんがこの先生と出逢えた事も奇跡の１つ。
その奇跡がkzmさんを良い方向へ導いてくれたのですね。

先生が暖かい光に包まれながら
旅立てます様に
お祈り致します。

[kzm]

皆様、多くのお言葉、ありがとうございます。
特に、ありさんさんの｢恩師の言葉に命をふきこんだから｣という言葉。
なんだか胸が熱くなりました。
それいゆさん、暖かい言葉ありがとうございます。
masanさん、本当にその通りですね。
DragonArmsさん、こちらこそです。確かに｢解放と還る事｣、なのかもしれないですね。


２３日。恩師を見送った空はどこまでも青かったです。寒くはなくて、ぽかぽかと、まるで恩師のように暖かく。沢山の涙と笑顔に見送られ、師はおそらく天国へ。きっと、あの世でも楽しんでいる事だと思います。どんな事でも楽しみを見出だす人だったので。


最後に。
師、曰く。
｢生は、全ての死を越えていくもんだ｣
｢お前は生きている。それに勝るもんはない｣
｢お前は、生きろ。苦しくても、悲しくても、地べたを這いつくばってでも生きろ。そうしてりゃ、強くなるさ。｣

[DragonArms]

まさに。何があっても生き抜く事から「生まれた理由」がやっと分かるのだと思います。

(๑´ㅂ`๑)たまたま覗いて続き読みました。

「魂」に触れる話。
ありがとうございます。