オリジナルトピック:

はてなの茶碗

(01-23-2021 02:06 PM で作成されたトピック)
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清水の舞台の下に音羽の滝といぅものがございます。前に茶店がございまして、床几やなんかちょっと置いてある。
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清水寺「仁王門」2018年撮影 異機種です
さて、最前から茶店の床几に腰を下ろしてお茶を飲んでおりましたのが、都市の頃なら五十ちょっと過ぎましたでしょ〜か、結城の紬を着ました、まことに上品な物腰のお方。
お茶を飲んでおりましたが、飲み終わってその茶碗でございます。何をどぉ思いましたのか覗き込んだり、ひっくり返したり、日ぃに透かしたり、せんどひねく回して、

「はてな?」

と言ぅと、茶代を置いて出ていきましたんです。
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横手でおんなじよぉにお茶を飲んでおりましたのが、行灯(あんどん)の油を売り歩いておりました担ぎの油屋さんでございます。

(落語「はてなの茶碗」より抜粋)

油屋は茶店の主から先程の茶碗を買い取りたいと申し出たが主は売りたがらない。
それもそのはず、その茶碗を眺めていた上品な御仁の正体は茶道具屋の金兵衛さん、人呼んで「茶金さん」その人であった。
茶金さんが指一本さしただけで十両の値打ちが付くと言われるほど、茶碗の目利きが確かなお方。
その茶金さんがしげしげと眺めて「はてな?」と呟いた茶碗、これはもしや。。。

と、言うわけだ。

1つの茶碗を巡ってお公家さんまで登場する「茶碗のシンデレラストーリー」的なお話になっております。

まるで茶金さんが乗り移ったかの様な語り口、桂米朝師匠の高座がおすすめ。
油屋の語り口は、米朝師匠の弟子にあたる桂枝雀のまくし立てる口調がぴったりですから、どちらの高座も面白い。
4個のコメント
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こんにちわ🌧😂
噺家さんの雰囲気想像しながら読んでいると情景が浮かんで噺がすんなり入ってきますね😂
いろんな噺良くご存知で勉強になります🙏
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ありがとうございます。
昔の高座をYou Tubeで見れるいい時代ですね。
SARARIDA
Expert Level 5
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こんにちは。
落語のお話
面白いです。
楽しみして読んでます。
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ありがとうございます。
少しでも興味を持って頂けると、張り切って紹介出来ます!!
わかりやすく、楽しさを損なわない様に頑張ります!