『長崎の鐘』は医学博士の永井隆さんが爆心地に近い長崎医科大学（現長崎大学医学部）で被爆した時の状況と、右側頭動脈切断の重症を負いながら被爆者の救護活動に当たる様を記録した随筆で、原爆により長崎の町が完全に破壊された様子や火傷を負って死んでゆく同僚や市民たちの様子を克明に描いていますって、実はこれから読むんですけどね😅
永井博士は松江で生まれたあと、直ぐに島根県飯石郡飯石村(現 : 雲南市三刀屋町)にあるこの家に移り小学校を卒業するまでここで暮らしました。
その後、松江中学校、松江高校を経て長崎医科大学に進学し、日中戦争に軍医幹部候補生として従軍し、帰還した後の昭和19年3月に医学博士になりますが、翌20年6月に白血病と診断され余命3年が宣告されます。
戦争により物資が不足していてレントゲン撮影用のフィルムが使えなく、直接レントゲンに写った患者の肺を目で透視していたのが白血病の原因となったそうです。
昭和20年8月9日11時2分。永井博士は爆心地から700mにあった長崎医科大学でレントゲン写真の整理をしていて被爆しました。
博士は奇跡的に命をとりとめたものの、首近くの動脈が切れて大量の出血をしながら被爆者たちの救護にあたります。
被爆してから３日後に自宅に帰った永井博士が瓦礫の中から見つけたのは妻緑さんの黒焦げた骨と緑さんが肌身離さず持っていたロザリオでした。
奥さんの喪に服し髭を剃らなかった頃の永井博士です。
終戦後、永井博士は友人たちが建てた小さな家で寝たきりになります。
病床において博士は17冊もの随筆を執筆し、世界に原子爆弾の恐怖や被害の様子を伝えました。
そのうちの一冊が『長崎の鐘』です。
博士は『長崎の鐘』について、「これは医者の立場から見た原子爆弾の実相をひろく知らせ、人々に戦争をきらい、平和を守る心を起こさせるために書いたものです」と述べています。
昭和24年に永井博士の随筆『長崎の鐘』を題材として歌が作られました。
『長崎の鐘』
召されて妻は 天国へ
別れてひとり 旅立ちぬ
かたみに残る ロザリオの
鎖に白き わが涙
なぐさめ はげまし 長崎の
ああ 長崎の鐘が鳴る
作詞 : サトウハチロー
作曲 : 古関祐而
歌 : 藤山一郎
歌詞は２番だけにしましたが、1～3番まで原爆を直接描写した言葉が使われていないのは、米軍の検閲を憚ってのことらしいです。
この『長崎の鐘』は昭和26年1月3日に放送された第1回紅白歌合戦の大トリで藤山一郎さんが歌ったそうですよ。
「長崎の鐘」とは原子爆弾の投下により吹き飛ばされたカトリック浦上教会（旧浦上天主堂）の「アンジェラスの鐘」のことだそうですが、写真は雲南市三刀屋町にある「永井隆記念館」のオブジェです。
昭和26年5月１日に43歳で亡くなった永井博士は、亡くなる1年前から病床において「平和を」と1000枚も書き残したそうです。
まとめ方が下手で長文になって申し訳ありませんでした🙏
長文にも関わらず読んでいただいたメンバーの方々にはありがとうございました🙇
