入院して、緊急に手術すると、仕事場に連絡があった。
いまは目が使えないので、連絡する箇所は最小限、ですね。
申し訳ないけど、お店の人に聞いてしまいました。
家にひとりでいるより、病院の方が安心だよな、と思うようにしよう。
自分の気が楽になったからって、なんになるんだろう、って思うけど。
いつも、読んでくれてありがとう。
暖かい言葉を、たくさんの優しさを、ありがとう。
私たちはおそらく、皆様が想像しているより少し長く、人生を生きています。
もういい歳で、初々しい歳ではございません。
まだ携帯すらない時代を、過ごしてきたんですよ。
不安に押し潰されそうで。
誰かに聞いて欲しくなった。
私たちの、生きた証。
なぜでしょうね。
学生の頃の恋愛よりも、年を取ってからの恋心は、とても胸が高鳴ります。
会うだけで幸せで。
声を聞くだけで嬉しくて。
起きたら。
あの人から「よく寝た」ってLINEがきて。
夜になれば。
わたくしから「寝ますね、おやすみなさい」ってLINEする。
幸せでした。
私たちは、もう自分達の生活スタイルを崩すことは出来ません。
今更、誰かと一緒に棲むには、遅すぎます。
それは二人とも、解っていること。
好きという気持ちだけで、他人と棲むことは出来ないんですよ。
それが現実なのです。
私たちは、それで良かった。
丁度よい距離感で。
離れているからこそ、毎日を大事にした。
ただ側にいられれば、それだけで幸せです。
先に進むことのない二人ですが、せめて、終わらないで欲しいと、思っていました。
十数年。
私たちは、よき友人として過ごしてきました。
ある日を境に、お互いの気持ちを話し始めたら、ギクシャクして、素っ気なくなって、また近づいて、二年かけて、変わっていって。
やっと始まったばかりだったのに。
私たちは、お互いに色んなものを無くしてきました。
神様。
もう、あの人から何も奪わないでください。
誰か、あの人を助けて。
そう思うだけで、涙が出る。
もう私には、なんの力も残っていません。
もう何も出来ない、月さえ見れない、何も出来ない、お許しください。
寄り添っていただいているお言葉にすら、お返事をする余裕すらない、弱い私を、愚かで浅はかな私を、お許しください。
苦しい。
いつもそこに、貴方がいてくれたから、私は幸せだった。
嫌なことも我慢できたし、全てが美しくなった。
貴方を思うだけで、心が弾んだ。
照れ屋で。
優しくて。
嘘つきで。
側にいたい。
今すぐ声を聞きたい。
あの人の光を、奪わないでください。
大事な人なんです。
あの人を、誰か助けて。
あの人を、誰か助けて。
