朝湯から帰ってきた熊さん。
いい心持ちで一杯やりたいけれど一文無し。
呑みてぇ、呑みてぇとボヤいているところに隣家のおかみさん。
おかみさんの手には頭と尻尾が残った大きな鯛が。
どうしたのか聞くと、飼っている猫が病気になり、御見舞で貰った鯛の柔らかいところを煮て食べさせた余りで捨てようと思っている。と、言う。
熊：えぇ？捨てる？それを？…そりゃぁもってぇねぇや、それぁ・・・そのねぇ、その鯛の頭、そりゃ大変ですよ。・・・その眼肉が美味いんですから！
隣人：あたしんとこは、そういうとこあんまりやらないしねぇ。
熊：じゃぁ、あっしが貰いやしょうか？
隣人：あら、貰ってくれる？
こうして鯛の頭と尻尾を手に入れた熊さん。
皿に置いた鯛をシゲシゲと眺めながら、その大きな鯛に感心する。
鯛があっても酒は無い。これで猫が見舞いに酒でも持ってくればありがたいのだが。と、独りごちながら側にあったザルを被せてみると、頭と尻尾がはみ出してしまう。
これは大したもんだと感心しているところへやって来たのは熊の兄貴分。
一杯やらねぇかと誘いに来たのだ。
一杯やろうったって、色っぽい所で飲んだんじゃ、金がかかるので、熊の家でサシ飲みしようと言う事になったが。。。
熊：ここだって構やしねぇが、肴がねぇよ。
兄貴：買やぁ良いじゃねぇか。。。おい！何を言ってやがんだ、肴がねぇどころじゃねぇ、台所に大したものがあるじゃねぇか！大きな鯛だなぁ！
熊：えぇ？あぁ、あれか、貰ったんだよね。
兄貴：なんだぁ、そういうのを貰ったら、すぐ俺をむけぇに来たらどうだい！友達甲斐がねぇじゃねぇか！
と、勘違いした兄貴、いっぺんに気を良くして肴は熊に出してもらうんだから、酒は任せろと空の一升瓶を抱えて酒屋に行ってしまう。
困ったのは熊だ。
まさかあの鯛が頭と尻尾だけとは言い出せない。
一計を案じた熊は３枚におろした身を隣の猫が盗んで行ったと言う言い訳を考えた。
（落語：猫の災難より）
興味が出た方はこの続きを是非、You Tubeなどでお楽しみ下さい。
おまけの看板犬
それと、おもしろ看板。
買ってね！！は、わかる。
ほしがってね！！って。www
おあとがよろしいようで。。。
